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労務管理コラム

人事評価制度について

社内に人事評価制度は設けられているでしょうか?

「人事評価制度」というと、どうしても規模の大きな企業のものというイメージがあって自社には                                          関係が無いと考えられたり、評価制度は導入したいけど、どのようにしたらよいか分からないから、                                                  手をつけられていないという企業も多いのではないでしょうか。

 

確かに「人事評価制度の導入」というと、とても敷居が高く感じられますが、その企業の規模や業種、                                         経営者の考え方や従業員の特性等に合わせて「評価をする」という仕組みを作ることは、実はそれほど                                         難しいものではなく、かつ組織を維持・活性化していくには必要不可欠なものです。

むしろ、規模の小さな企業こそ評価をすることの重要性は高く、しかもその企業に合った評価制度を                                         取り入れることが容易なことが多いものです。

まず、評価制度を導入する(評価をする)ことの重要性を考えてみたいと思いますが、逆に評価を                                          全くしないと、どのようなことが起こるのでしょうか。

生懸命に仕事をしても、しなくても待遇(給与や賞与)は変わらないので、ほとんどの場合は                                                                 仕事の質の向上や業務の効率化などの努力をしなくなる

② 早く効率的に仕事をするよりも、のんびりと自分のペースで仕事をした方が残業が多くなり、                                                                                  場合によっては残業代の分だけ、遅く作業をした方が給与が増えることがある

③ 職場で、特に担当がはっきりと決まっていないような仕事(しかし意外に大切な仕事の場合が多い)は、                                                      放置されるか、それに気付いた従業員(通常は特定の人)がいつもやることになる

 

このような職場がどうなるかというと、仕事を効率的に進め、業務の改善をしていこうとする従業員                                                 (企業にとって必要な人材)のモチベーションは下がり、最終的にはそのような人材は職場を去りかね                                                ません。逆に評価をされないことで、居心地良く仕事をしたりコストのかかる従業員ばかりが増える                                            ことにもなります。

一人一人の従業員の働き方の優劣が売上や業績に強く表れる中小企業こそ、実は評価をしないことの                                                                リスクは高くなるのです。

 

ひとえに人事評価制度といっても、その企業規模や職種、経営者の考え方などにより、それぞれの企業に                                                         適した評価制度や運用の仕方は、ひとつひとつ異なるのが通常ですので、ここではその考え方や導入の流れを                                                         説明したいと思います。

評価制度導入の手順としては…

① 評価制度を導入する目的の検討 (例) ・能力や企業への貢献度に応じた給与体系にする                                                                            
    ・効率的な働き方の促進や自己研鑽を促す 等
② 何を評価するか(評価基準)の検討 (例) ・営業成績や売上げ実績 
    ・効率的に仕事を行っているか、改善意識があるか                                                                      
    ・管理職の管理能力 等
    ・組織(企業や部署)への貢献度
③ 評価手法の検討 (例) ・「目標管理制度」を採用(期初に個人ごとに目標を定め、                                期末にその目標を達成できたかどうか、管理者と面談を行う)
・「評価表等による評価」を採用(各評価項目について、                                 5段階等で採点を行う) 等
④ 評価をどのように活用するか    (例) ・給与の決定や賞与額に反映させる
・特に処遇に反映はさせないが、使用者や管理者は働き方を                                        見ているということを従業員に意識してもらう 等
⑤ 制度の説明会や評価者研修を行う  (例) ・制度の説明会を行い、主旨等を説明する                    
・社内で評価者研修を実施したり、外部の評価者研修に参加する 等

⑥ 評価を実施し、必要に応じて制度の見直しをする

 

以上が一般的な手順の概要になりますが、企業規模や評価制度に割ける時間など、実態はそれぞれ異なるかと                                                   思います。最初から立派な評価制度を導入しようとするのではなく、従業員のモチベーションを上げることに                                                         より組織を活性化させるという意識で、まずは出来る範囲で始めてみることをお勧めします。

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台風や大雪などの自然災害時の給与について

今年は想定外の被害を及ぼす台風や大雪など、自然災害に見舞われた一年でしたが、このような災害が生じた(又は生じる恐れがある)場合には、交通機関が乱れたり、通勤に危険が生じたりすることもある為、通常通りの就業が出来ないケースがあるかと思います。                                                            公共交通機関がストップして出社時刻に間に合わなかった場合や、災害の危険を避ける為、終業時刻前に帰宅させた場合の給与は、どのように取り扱えばよいのでしょうか。

 

法律ではどうなっているかと言うと、「使用者の責めに帰すべき事由」(会社都合)による休業の場合、会社は社員に対して休業期間中、その平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならない(労基法26条)とされています。

 

では、例えば台風が上陸し、始業時刻開始前に電車等の公共交通機関がストップして出勤が出来なくなった場合は、この「使用者の責めに帰すべき事由」に該当するかというと、これは不可抗力によるものと判断されますので、上記の休業手当を支払う必要はありません。

また例えば、台風の襲来により交通機関が止まる恐れがあったために、午後3時以降業務に支障のない限りにおいて、順次帰宅との命令を会社が全社員に出したような時はどうでしょうか?                      この場合は、会社の「命令」で労働者に帰宅をさせるので、労働者側に決定権はなく「会社都合」で帰宅すると考えられます。                                                            命令発生時点では、まだ会社や社員に何の被害もない状態ですので、自然災害による休業とは認められず、予防的な「帰宅命令」となるので、会社都合で労働時間を繰り上げて労働を免除したとの取扱いですので、会社には休業手当の支払いや、労働時間のみなしとして通常通り給与を支払う義務が生じると言えます。

一方、会社命令ではなく「社員に帰宅の判断を任せるような会社の命令に準じた意思表示」であれば、帰宅するかどうかは社員の判断によるため、休業手当の支払い義務や労働時間のみなしの扱いがないとも考えられます。                                                                                (つまり月給者であれば早退控除をすることもでき、時給のパートタイマーであれば、その時間分の給与は発生しないことになります)

ただ、一般的には社員に「仕事を早めに終えて早めに帰宅をしてもよい」と告げた場合は、通常の給与が払われると認識することが多いと思いますので、社員のモチベーションダウンにつながらない為にも、所定勤務時間まで勤務したものとして給与を支払うなどの対応が必要だと思われます。

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年末調整の前に・・・

既にお知らせしておりますが、平成30年1月から配偶者控除の要件が改正されております。

年末調整前に再確認をお勧めいたします。

 

【改正点①】配偶者控除に「従業員(給与所得者)本人の年収」が要件に追加されました。

配偶者の年収にかかわらず(年収103万円以下に収めていた方も)、従業員本人の年収が1,220万円を超える場合は配偶者控除を受けられなくなりました。

 

【改正点②】これまで配偶者控除を受けるために103万円以下に収めてきた配偶者の年収上限が事実上150万円にアップしました。

名称は「配偶者特別控除」となりますが、所得税の計算上は年収150万円まで働いても納税額は変わらないことになり、納税者にとっては有利な改正となりました。

 

詳細は、添付しましたチャートでご確認ください。

平成30年所得税改正チャート

 

資料を追加しました!(11/2UP)

平成30年年末調整 昨年からの主な変更点

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パワハラ防止策を義務付ける法律整備の検討始まる

厚生労働省がパワーハラスメントの防止策づくりを企業に義務付ける法律を整備する検討を始めました。

企業へ相談窓口の設置や発生後の再発防止策を求める方向です。罰則は設けませんが、法律に違反した企業は行政指導の対象となり、悪質な場合は社名公表も検討するようです。

 

厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会で、年末までに具体案をまとめ、新法制定も視野に2019年の国会へ完成法案提出の見込みです。

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平成30年1月から職業安定法が改正されました

従業員を採用するときは、①求人広告の掲載→②応募者との面接、試験→③採用通知→④入社(労働契約の締結) というのが一般的な流れです。

①の時点で、ある程度の幅をもたせた給与額や労働条件を明示して、④の入社に際して具体的な条件を明示することは法律違反とはなりませんが、近年は、ハローワークの求人だけでも「求人票の内容と実際の労働条件が違う」「基本給に残業代が含まれていると言われた」「求人詐欺」などの苦情が多く寄せられ、会社と従業員の間で訴訟に発展しているトラブルも起きています。

これらを踏まえて、本年1月から職業安定法が改正され、求人広告を出すときに明示するべき労働条件が増えたり、ルールの変更が定められました。一部は、ハローワークの求人では以前から記載していた項目ですが、今回は民間の求人広告でも明示が義務付けられました。

◆追加となった項目

①試用期間に関する詳細な労働条件

②裁量労働時間制が適用される場合はその旨

③固定残業代を採用する場合(下記の内容を明示する)

(1)固定残業代の算定基礎となる労働時間数及び金額(「〇〇時間分の時間外手当である」等)
(2)基本給に残業代が含まれる場合には、それぞれの内訳
(3)固定残業代の見込みより実際の残業実績が上回ったときはその差額を支払う旨

④派遣労働者として雇用する場合はその旨

また、求人票では「基本給20万円~25万円」など幅を持たせていた金額が21万円と決まった時や「手当が支給されなくなった」等の求人内容に変更があったときは、下記のアクションが必要となります。

①少なくとも内定通知の際には、決定金額や変更内容を応募者へ通知する

②書面により労働条件を通知するときは、新旧対照表を作るか、変更箇所に下線や色を付ける。

以上、いろいろと規制が増えた求人広告ですが、基本的には、応募する人も採用する企業も曖昧な表現は控え、採用後の「そんなこと聞いていない」「今頃そんなこと言われても」というようなトラブルを防止していく取組みが重要です。

 

 

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中小企業として働き方改革へ向き合う

今年も残すところ40日ほどとなりましたが、今年は、電通の過労死事件やクロネコヤマトの未払い残業代に象徴されるような「労働時間管理、残業時間の削減の問題」及びサービス業や飲食業等で特に深刻となっている「労働力不足」の問題の2つがクローズアップされました。

 

【労働時間の管理の厳格化、及び残業時間の削減について】

労働時間についての意識が希薄であったり残業が慢性化しているような職場においては、いきなり大幅に仕事のやり方を変えるのは現実的ではないと思いますが、かといってこれを放置しておくのは、経営者にとっても従業員にとっても決して良い状態とは言えません。

そこで以下のように、それぞれの立場で少しずつ意識を変えていくことで、より良い職場環境を実現して頂きたいと思います。

◆経営者-長時間労働の削減や効率的な働き方の推進を、本気のメッセージとして社内に発信する。

◆管理職-効率的な働き方をする部下の評価をあげる。

◆社員-時間を意識して仕事をする。残業は、決して褒められたものではないことを認識する。

 

【労働力不足の時代において、中小企業だからこそ出来る対応策】

現在、政府が推進している「働き方改革」には3つの柱「時間外労働の削減・非正規と正社員の格差是正・高齢者の就労促進」が設けられていますが、これらが推進されている背景には、国内の労働力不足があります。日本は少子高齢化が進むことにより、50年後の労働力人口は、現在に比べて6割程度になると予想されていますが、2017年の現在でも従業員の高齢化や20歳台、30歳台の労働者不足を感じている方は多いのではないでしょうか。

労働者が不足してくると、各企業での労働者の取り合い競争となり、中小企業も例外なくこの競争に巻き込まれていくことになります。そこでは、いわゆる「正規雇用労働者」だけではなく、アルバイトやパートタイマーなども十分に採用できないような事態が予想されます。

このような事態においては、「全員が同じような勤務形態で、長時間労働を前提とする働き方」から「限られた時間や人材で高い成果を生み出す働き方」へシフトしていくことが、中小企業が10年、20年、50年先まで経営を維持していくことにつながっていくと思われます。

多数の社員を抱える大きな組織では、明確な基準を伴った制度を作って運用しなければなりませんが、中小企業においては、従業員の個々の事情を考慮して柔軟な働き方を認めることも検討できるので、人材不足といわれる時代でも優秀な人材を採用する(又は長く働いてもらう)ことも可能です。

想定されるのは、子育てを終えた女性の活用、体力もやる気も十分な定年前後の方の活用、子育て中で短時間勤務を希望する方 などです。

近年は「多様な働き方」と言われるように、さまざまな勤務形態や生活とのバランスを選択する人が増えてきていますので、個々の事情に合わせ、このような働き方を取り入れていくことも、検討されてはいかがでしょうか。

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変わっていく働き方

昨年9月から政府の「働き方改革実現会議」が始まり、「同一労働同一賃金」「多様な働き方」「副業・兼業の推進」など、関連したニュースがメディアに取り上げられることが多くありました。
その中の「副業・兼業の推進」についてですが、現在は、ほとんどの企業において、就業規則で副業を禁止しており、厚労省作成のモデル就業規則にも副業を禁止する条文が含まれているのが現状ですが、「働き方改革」では、従来の考え方と異なった方向に舵を切ることになります。

従業員が副業することについては、次のようなデメリットがあると考えられてきました。
①本来ならば心身の休息のためのプライベートの時間を、労働に使うことにより、疲労が回復せず、本業に支障が出る
②副業が本業と似たような業種である場合、ノウハウや顧客情報などが他社に流出する可能性がある

しかし、今回の働き方改革実現会議の議論では、副業のメリットとして次の点が挙げられています。
①労働者が一つの企業にとらわれない働き方を形成することができ、定年退職後の再就職等がスムーズに行えるようになる
②副業で得た知識や人脈を本業に還元することで、本業の活性化を図ることにつながる
③正社員、短時間労働者、フリーランスなどを組み合わせた選択ができ、所得を得るための選択肢が広がり、一人一人の人生に合わせた柔軟な働き方ができる

これまでは、どちらかというとデメリットに目を奪われていた副業・兼業ですが、「近年の社会変化のスピード」、「生活様式の多様化」、「インターネットを用いたビジネスの台頭」などを考えますと、メリットの方にもっと目を向けても良いように思われます。
国の政策会議で「副業・兼業の推進」が議論されていることは、勤め先を一つに絞って働いてきたサラリーマンの働き方が、大きく変わる兆しなのかもしれません。
しかしながら、視点を変えて、法律面から考えますと、副業・兼業を推進していくためには、労働基準法や社会保障関係のいくつもの法律を、そのような働き方に対応した内容に改定していく必要があると思われます。
したがいまして、すぐに何かが変わるとは思えないわけですが、将来に向けて着実に変わっていくであろう私たちの「働き方」について、今後も注目していきたいと思います。

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定年後再雇用の賃金低下が違法とされた判決について

定年後に、嘱託従業員として1年契約で再雇用されたトラックの運転手3人が、正社員と同一の仕事なのに賃金に2~3割の格差があるのは違法だと主張していた裁判で、東京地方裁判所は、会社に対し、正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡し、運送会社側に、嘱託従業員に正社員の賃金規定を適用し、これまでの嘱託の賃金と正社員の賃金の差額の支払いを命じました。

これは、これまでの定年後の再雇用の在り方や判例とは異なる判断です。

これまでの判例では、「再雇用後の賃金が正社員の賃金の6割程度に下がるとしても、我が国の労働市場の現況や、定年退職後の雇用状況に鑑みると、これが公序良俗に違反するとまで認めることは困難である」としたX運輸事件(H22.9.14大阪高裁)のように、再雇用後の賃金減額は違法ではないというのが一般的でした。

しかし、平成25年4月に労働契約法第20条が改正(※)されてから、契約社員やパートタイマーなど非正規雇用の待遇格差をめぐる問題に世間の注目が集まるようになり、「同一労働・同一賃金」の考え方が、世間に広く認知されるようになりました。

安倍首相が今年1月の施政方針演説において、「ニッポン1億総活躍プランで同一労働同一賃金の実現に踏み込む」と発言したことは記憶に新しいことかと思います。

今回の判決では「職務が同一であるにもかかわらず、有期、無期雇用の間に賃金格差を設けることは、特段の事情がない限り不合理だ」「雇用確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」と指摘されましたが、まさにこの流れに沿った判決です。

今回の判決を受けて、運送会社は東京高裁に控訴していますが、高裁でも今回の判決が支持された場合は、高齢者の継続雇用に関して国がおこなっている施策への影響は大きく、再雇用後の賃金減額をおこなっている企業は、再雇用制度の大幅な見直しを迫られることになると思われます。

また、現在、定年後に再雇用されている従業員から同様の訴えが出た場合には、この判決も踏まえながら対応していくことが必要となると思われます。

今後の高齢者の再雇用制度の方向性を占う意味でも、この事件は、今後の展開が注目されます。

 

※「契約社員などの有期雇用労働者の労働条件が、期間の定めがあるという理由により、正社員などの無期雇用労働者の労働条件と相違する場合に、業務内容や当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」と規定されました。

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外国人労働者の労務管理について

先日、政府が外国人労働者の受け入れ拡大を検討しているニュースを目にしました。
東京オリンピックのインフラ整備にかかる建設工事や、少子高齢化による労働人口の減少や介護人材の需要増を補うために、外国人労働者を増やしていく狙いがあると思われます。

さて、現在でも、企業規模や社員・アルバイトの身分にかかわらず外国人労働者を雇用している企業がありますが、労務管理としては以下のことに注意する必要があります。

①在留カードの確認

雇用開始前に、労働者本人の在留カード(旧 外国人登録証)の原本を見せてもらい内容を確認します。その中でも「在留期間」と「在留資格」が重要です。

在留資格によって、就労できる業務が定められていますので、これ以外の業務に就く場合は「資格外活動許可」を入国管理局に申請する必要があります。

例えば、留学生がアルバイトをする場合は、留学資格の外国人は就労不可ですが、資格外活動許可を受ければ、風俗営業以外の仕事に週28時間まで就労することができます。

②罰則と罰金

在留期間を超えて国内に在留していた場合は「不法在留」となり、資格のない業務に就いた場合は「不法就労」となります。

不法在留や不法就労が発覚した場合、本人は強制送還、雇用者には懲役刑や罰金が科されることがあります。

③外国人労働者の賃金や社会保険

労働基準法や健康保険法など社会保険関係法令は、国籍を問わず外国人にも適用されます。

したがいまして、週40時間労働、有給休暇、解雇予告、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、最低賃金などを日本人労働者と同様に取り扱わなければなりません。

厚生年金、国民年金については、6ヶ月以上加入した外国人に対し、脱退一時金制度があります。

④雇用契約の明確化

「そうは言っても、これくらいはやってくれるだろう」「まさか、こんなことはしないだろう」という、日本特有の「暗黙の了解」は、外国人にはなかなか通用しませんし、自分の権利はきちんと主張してきます。外国人に限ったことではありませんが、採用後のトラブルを防止するために、雇用契約の内容を明確に、詳細に規定した雇用契約書を結んでおくことが必要です。

⑤意思を明確に伝える

「言われなくてもこれくらいは常識だ」という暗黙の了解は通じないものと考えて、お互いに、意思を明確に伝え合うコミュニケーションを心がけることが重要です。

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取締役や監査役の社会保険資格取得について

顧問先からの相談の中で

「複数の会社の取締役をやっているが、全ての会社の社会保険に加入するのか?」

「役員報酬を支払っているが、実際には月に1日しか仕事をしていない。こういう人も社会保険に入らなければならないのか?」

という質問をいただくことがあります。

今回は、こういう人たちが社会保険資格を取得する対象なのかどうかを考えていきます。

まず、基本的には、法人の役員はその会社の社会保険に加入することとなっています。
※行政通達(昭和24年7月28日保発第74号)「法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい」

しかし、実際には、月に1度しか会社に来ない「非常勤役員」と呼ばれる人がいますし、中小企業においては、代表者の家族や友人などの、いわゆる「形だけ、名前だけの取締役」も存在します。
このような人たちの取扱いはどうなるのでしょうか?

最近では、この「労務の対象として報酬を受けている者」についての具体的な判断として、日本年金機構より以下の通知がなされています。

【日本年金機構本部から示された判断材料】
労務の対償として報酬を受けている法人の代表者又は役員かどうかについては、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつその報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払を受けるものであるかを基準として判断されたい。

判断の材料例
1.当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。
2.当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。
3.当該法人の役員会等に出席しているかどうか。
4.当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。
5.当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。
6.当該法人等より支払いを受ける報酬が、社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

なお、上記項目は、あくまで例として示すものであり、それぞれの事案ごとに実態を踏まえ判断されたい。
参考書面はこちらをクリック→(PDF)

実際の確認の際は、上記の①~⑥を参考にして、個別の事案ごとに被保険者とすべきかどうか総合的に判断されることとなっています。

また、日本年金機構の疑義照会(下記参照)においては

「以上のことから、疑義照会回答の判断の材料例は、一例であり、優先順位づけはなく、複数の判断材料により、あくまでも実態に基づき総合的に判断してください。なお、疑義が生じた場合は、実態を聞き取ったうえで具体的事例に基づき照会してください。ご照会の事例においては、「常用的使用関係」と判断できる働き方であれば、被保険者資格を認めて差支えありません。」

と述べられており、具体的事例が出てきた際に、6つの判断材料例も踏まえ、個別に年金事務所に相談・確認しておくことがよろしいかと思われます。

 

◆参考 日本年金機構 疑義回答(平成23年10月公表分)

【質問】

1.代表者は仮に不定期な出勤であっても(どこにいても)、役員への連絡や職員への指揮命令はできると思われますが、定期的な出勤がひとつの条件でしょうか。

2.役員が経営状況に応じて報酬を下げる例は多くあり、役員報酬は最低賃金法に当てはまらないため、中には「数円」というところもあります。労務の対価として経常的に受ける報酬が「月に数円」の場合、社会保険への加入はできないのでしょうか。報酬が社会通念上労務の内容に相応しい金額(社会保険へ加入できる最低額)とは具体的にいくらでしょうか。

3.「実費弁償程度の水準にとどまっていないか。」とありますが、実費弁償程度として対象になるのは主に通勤費(手当)のことでしょうか。

通勤手当をもって役員報酬としている場合、「通勤手当は報酬に含め、実費弁償的なものと異なり報酬に含める」と解釈されていますが、(上記 2.と同様)社会保険への加入対象にならないのでしょうか。また、加入できるとして通勤手当(役員報酬)の額が変更となった場合は固定給の変動には当たらないのでしょうか。

 

【回答】

1.については、事業所に定期的に出勤している場合は、「法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものである」との判断の要素にはなりますが、本来法人の代表者としての職務は事業所に出勤したうえでの労務の提供に限定されるものではないことから、定期的な出勤がないことだけをもって被保険者資格がないという判断にはならないと考えます

定期的な出勤は、経常的な労務の提供を判断する一つの要素であり、定期的な出勤がないことだけをもって、被保険者資格がないとするものではありません。

2.については、昭和 24 年 7 月 28 日保発第 74 号通知で「役員であっても、法人から労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者とする」とされていますが、一方、「役員については、ご照会の事例のように経営状況に応じて、給料を下げる例は多く、このような場合は今後支払われる見込みがあり、一時的であると考えられるため、低報酬金額をもって資格喪失させることは妥当でない」ことから、総合的な判断が必要であり、最低金額を設定し、その金額を下回る場合は、被保険者資格がないとするのは妥当ではありません。

また、疑義照会回答については、一般的な例を示しているものであり、社会通念上、ご照会の事例のように業務の内容に対して、1 円の報酬しかないなど内容に相応しいものかどうか疑わしい場合は、報酬決定に至った経過、その他「常用的使用関係」と判断できる働き方(多くの職を兼ねていないかどうか、業務の内容等)であるかなどを調査し、判断してください

3.については、実費弁償程度の水準については、主に会議に出席するための旅費、業務を遂行するために必要となった経費について、一旦、立替払いし、これに対して、事業所が弁償等のみのために支払する費用をもって報酬としている場合を想定しているものであり、もともと報酬ではないので、「法人の経営に対する参画を内容とする労務の対価」には、該当しないと考えます。

ただし、この弁償等行う金額を超え、定期的に支払われているような場合は、報酬と見るべきと考えます

以上のことから、疑義照会回答の判断の材料例は、一例であり、優先順位づけはなく、複数の判断材料により、あくまでも実態に基づき総合的に判断して下さい。

法人役員の被保険者資格及び受託事業所調査について

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