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労務管理コラム

2015年7月10日

ポジティブメンタルヘルス

「メンタルヘルス」という言葉は、昨今では「メンタルヘルスの不調(疾患)」や「心の傷」のように、                                      どちらかと言うとネガティブな言葉として用いられることが多いのですが、欧米では心のポジティブな                                       面への関心が高まり、その効果などについて様々な研究がなされています。

ポジティブメンタルヘルスは、人々のポジティブな感情や考え方・行動を向上させていくことに眼目が                                       置かれます。ことに職場のメンタルヘルスは、うつ病対策といった面が中心課題に据えられてしまいま                                                       すが、そうした疾病(不調)対策のみならず「どうすれば、より生き生きと、意欲や向上心を持って働                                                       くことができるか」というポジティブな側面に着目し、職場の活性化につなげようとするポジティブメ                                                             ンタルヘルスが求められます。

 

様々な研究の中で、ポジティブな感情や思考は作業効率を向上させたり、幸福感を感じられたりといっ                                                       た効果が示されています。

ある実験で、課題を課された披験者は、前もって楽しい本を読むなどの肯定的な感情をインプットされ                                                       ている方が、されていない方と比べてより多くの課題をクリアした。あるいは連想ゲームでは、前もっ                                                      てポジティブなインプットをされている人の方が反応が迅速だったなどの研究が多数発表されています。

それぞれの研究の完成度には議論の余地はあるものの「幸福だからポジティブになれる」という構図で                                         はなく「ポジティブが呼び込む幸福」がありうるという考え方を強めるに十分な材料です。

 

前向きで明るく、何だか幸せに近づけそう。そんなイメージを抱かせるポジティブメンタルヘルスは、                                                       とても魅力的で興味をそそられます。しかし一方で、ポジティブ一辺倒への懸念を指摘する声もあります。                                                     苦しみの渦中にあって支援を必要とする人々が切り捨てられたり、偏見を強めることにつながりかねない                                      からです。悩むことが悪いことであるととらえられてしまう恐れもあります。ネガティブな要素を直視す                                       ることによって生まれる、真の心の成長や、他者との深い相互理解、ものごとへの現実的な検討なども人                                       が生きていく営みの中では非常に重要であると考えます。

大切なのはネガティブとポジティブは常に表裏一体であり、どちらの側面からも人や自己を理解し、より                                               よく生きていくためには有用なアプローチであることを心に留めつつ、ポジティブメンタルヘルスの意義を                                     理解していくことだと思います。

                       

♪あなたのポジティブ度をチェックしてみませんか?

 

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「同一労働 同一賃金」~運用までのプロセス~

昨今では、働き過ぎの是正や少子高齢化などに伴う労働力不足の解消などを目的として、働き方改革が国の重要政策になり、様々な施策が検討、実施されようとしています。                             その中で、最近よく耳にするようになった「同一労働 同一賃金」を取り上げてみたいと思います。

昨年6月に可決されました働き方改革関連法では、2020年の4月1日より(中小企業にあっては、2021年4月1日より)正社員といわゆる非正規社員(パート、アルバイト、契約社員 等)とで、給与などでの不合理な待遇差を設けることが禁止されます。                                                                             つまり、仕事の内容や責任の程度等が正社員と同じあれば、給与や福利厚生の面でも均等に取扱う必要があります。(単価が同等であれば、勤務時間に応じて支給額が異なることは差し支えありません)

これが、同一労働同一賃金の考え方です。

 

※正社員と非正規社員とで、どのような理由であれば待遇差を設けても良いのか(どのような場合には待遇差を設けてはいけないのか)についてのガイドラインも示されております。

《参考》同一労働 同一賃金ガイドライン(厚生労働省)

 

ただ、その前提として、正社員と非正規社員とで担っている仕事の内容や、どのような責任を持って仕事をしているのかといった業務内容・職責の範囲が明確になっていないことには、均等待遇を求められる対象かどうかの判断も出来ません。                                                                              まずは各々が携わっている仕事の内容や、指示系統、責任の範囲などを一度洗い出してみることによって、現状の職場の見える化をすることが最初のステップになるかと思います。                           そして、例えば正社員と同等の働き方をしているパートの方がいれば、その方にはそれに伴った待遇をすることによって、同一労働同一賃金が実現できるだけでなく、職場のモチベーションアップにも繋がるのではないでしょうか。

 

 

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職場のパワーハラスメントにおける使用者の責任


厚労省では、職場のいじめ・嫌がらせについて都道府県労働局への相談が増加傾向にあったことを踏まえ、平成24年3月に「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を取りまとめました。提言の中では定義や類型について、以下のようにまとめられています。

 

職場のパワーハラスメントの定義

職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」と定義しました。

 

この定義においては、以下を明確に示しています。

  • 上司が部下に対するものに限られず、職務上の地位や人間関係といった「職場内での優位性」を背景にする行為が該当すること
  • 業務上の必要な指示や注意・指導が行われている場合には該当せず、「業務の適正な範囲」を超える行為が該当すること

 

 

職場のパワーハラスメントの6類型

上記で定義した、職場のパワーハラスメントについて、裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、次の6類型を典型例としました。

1) 身体的な攻撃 
暴行・傷害
2) 精神的な攻撃
脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
3) 人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
4) 過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5) 過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや                     仕事を与えないこと
6) 個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること

 

 

職場のパワーハラスメントをなくすために                                      使用者が講ずることがのぞまし取り扱いについて

  • 職場のパワハラがあってはならない旨の方針の明確化
  • パワハラ行為が確認された場合には厳正に対処する旨の方針
  • 対処の内容について就業規則等への規定
  • 従業員への周知・啓発等の実施
  • 相談等に適切に対応するために必要な体制の整備

 

使用者はこれらを「パワーハラスメント防止指針」(以下参照)として掲げ、従業員へ強い意思を示すことが必要かと思います。

 

パワーハラスメントにかかわる使用者責任について

職場にてハラスメントを行った者は、民事上の不法行為責任を負うことになりますが、そのような職場環境を改善しない使用者も同様に責任を負います。

使用者には、男女雇用機会均等法、育児介護休業法による防止措置義務等とともに、労働契約法上の安全配慮義務、職場環境配慮義務が課せられています。そのため服務規律でパワハラの発生防止を規定し、非違行為が発生した場合には直ちに是正措置を講ずべき義務を負っています。この義務を怠った場合、使用者責任や債務不履行責任を問われることになります。

 

これらのパワハラは、個人の問題にとどまるだけではなく企業にとっても、組織の生産性に悪影響を及ぼすことになります。                                                     パワハラ問題については、企業が一丸となって取り組むことが重要と考えます。

 

※パワハラの具体的事例や対策についてはこちらをご覧ください(あかるい職場応援団)※

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社員が入社したら伝えたい社会保険まめ知識 ~健康保険編②~

今回は4~6の制度について、その概要と必要な手続きについてご案内します。

制度の名称 等 概   要
1.療養の給付 病気や怪我をした時に、一部負担金(3割 等)を支払うことで治療を受けることができる
2.高額療養費                   (限度額認定証の使用) 入院や手術をした際など、医療費が高額になり病院に支払う                 自己負担額が多くなる場合に、一定額以上の負担が軽減される
3.傷病手当金 病気や怪我などにより長期に会社を休まなければならなくなった際、              給与が支払われなくなった場合の所得を保障する                    (休職前の給与の約2/3が、最長1年6ヶ月間支給される)
4.出産育児一時金                                (直接支払制度の利用) 本人又は扶養家族が出産をした際に一児につき42万円が支給される                         (出産医院等に直接一時金を支払うことに合意すると、出産費用に充てることも出来ます)
5.出産手当金 産前産後休暇をとった際、その期間の給与が無くなった場合の所得の補償をする                                   (休職前の給与の約2/3が産前6週間、産後8週間分支給される
6.埋 葬 料 本人又は扶養家族が死亡した際に5万円が支給される

 

 

4.出産育児一時金 (直接支払制度の利用)

【制度の内容】

従業員本人又はその扶養家族が出産をした場合に、一時金として42万円を受給することができます。(妊娠4ヶ月以後の流産等の場合にも受給することが出来ます)

なお、出産される従業員(又は扶養家族)と出産医院の間で合意文書を取り交わすことで出産一時金と出産費用を相殺することが出来ます。(直接支払制度)

【直接支払制度】

直接支払制度を利用した場合で、出産費用が42万円以下の場合には出産医院での支払が不要になり、42万円を超えた場合には差額のみを出産医院に支払うことになります。(下記、左図参照)                           42万円未満であった場合には、後日、出産費用との差額を協会けんぽに請求することで受給することができます(下記、右図参照)

 

協会けんぽの申請書はこちら→ 「出産育児一時金支給申請書」 「出産育児一時金内払金支払依頼書・差額申請書」 をご利用ください。

 

 

5.出産手当金

【制度の内容】

出産の為に会社を休み(産前産後休暇)、その間の給与が支払われない場合月額給与のおよそ2/3が支給されます。

対象となる期間は、産前休暇(出産予定日の6週間前以降で会社を休み始めた日)から産後休暇(出産日の翌日から起算して8週間)までとなります。

(その為、出産日が予定日よりも遅れた場合には、受給できる期間が長くなります(図1))

 

【手続きの流れ】

 

協会けんぽの申請書はこちら→ 「出産手当金支給申請書」  をご利用ください。

 

6.埋葬料

制度の内容】

従業員本人又は扶養家族になっていた者が死亡した場合には、申請者に応じて5万円(又は5万円未満で埋葬に要した費用)が支給されます。

 

【手続きの流れ】

 

協会けんぽの申請書はこちら→ 「埋葬料(費)支給申請書 」  をご利用ください。

 

給付金は申請することで受けられるものですので、該当するケースは速やかにお手続きすることをお勧めします。

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社員が入社したら伝えたい社会保険まめ知識 ~健康保険編①~

4月には多くの会社で入社される方がいるのではないでしょうか。
その新入社員に伝えておきたい健康保険の給付制度についてご説明します。

健康保険に加入していると、病気や怪我をした時に一定の自己負担だけで病院にかかれるだけでなく、様々な給付の制度があります。
以下、今回は1~3の制度の概要と必要な手続きについてご案内します。(4~6は次回ご案内します)

 
制度の名称 等 概   要
1.療養の給付

病気や怪我をした時に、一部負担金(3割 等)を支払うことで治療を受けることができる

2.高額療養費
(限度額認定証の使用)

入院や手術をした際など、医療費が高額になり病院に支払う
自己負担額が多くなる場合に、一定額以上の負担が軽減される

3.傷病手当金

病気や怪我などにより長期に会社を休まなければならなくなった際、
給与が支払われなくなった場合の所得を保障する                    
(休職前の給与の約2/3が、最長1年6ヶ月間支給される)

4.出産育児一時金
(直接支払制度の利用)
本人又は扶養家族が出産をした際に一児につき42万円が支給される
(出産医院等に直接一時金を支払うことに合意すると、出産費用に充てることも出来ます)
5.出産手当金 産前産後休暇をとった際、その期間の給与が無くなった場合の所得の補償をする
(休職前の給与の約2/3が産前6週間、産後8週間分支給される
6.埋 葬 料 本人又は扶養家族が死亡した際に5万円が支給される

 

 

1.療養の給付 

【制度の内容】
病院にかかった際に、健康保険証を提出することで受診できます。
自己負担額は年齢により異なりますが、通常は3割です。
・小学校未満の子 2割
・70歳以上 原則2割(但し、現役並みの所得がある場合は3割負担)

【ポイント】

◆仕事中や通勤の途中で怪我等をした場合には、健康保険証が使えませんので病院には「労災保険」を使う旨を伝えて治療を受けて下さい。

◆入社間もなく、まだ健康保険証が手元に無い時に病院にかかりたい場合には一度、医療費の全額(10割)を病院に支払っておき、後日、7割相当額を健康保険の方に請求することができます(「療養費」の申請)

 

2.高額療養費(限度額認定証の提示による受診)

【制度の内容】
①高額療養費の申請(後日、健康保険へ申請)
病院にかかった際に支払った自己負担額(通常3割)が高額になった場合に、一定額(自己負担限度額)を超えると超えた分が、後から健康保険より返還されます。

②限度額適用認定証の申請(申請書を病院で提示)
入院や手術により予め医療費が高額になることが見込まれる時は、事前に健康保険に限度額認定証の発行を申請しておき、それを病院の支払いの際に提示すると、自己負担限度額までの支払いで済みます。後日、精算の必要がないので便利です。

■自己負担限度額(暦月ごとに計算します。入院と通院は別に計算をします)

所得区分 自己負担限度額 多数該当※
 A.標準報酬月額が83万円以上  252,600円 +(総医療費-842,000円)× 1%   140,100円
 B.標準報酬月額が53万円~79万円  167,400円 +(総医療費-558,000円)× 1%   93,000円
 C.標準報酬月額が28万円~50万円  80,100円 +(総医療費-267,000円)× 1%   44,400円
 D.標準報酬月額が26万円以下  57,600円   44,400円
 E.住民税の非課税者  35,400円   24,600円

※多数該当は、高額療養費の申請月以前の直近1年間に、3か月以上高額療養費の支給を受けている場合、4か月目から自己負担額が軽減される措置です。

【手続き】
①高額療養費の申請 ⇒ 「高額療養費 支給申請書」に記入し、健康保険(協会けんぽ等)へ提出
【添付書類】
特になし(原則)
■ケガ等の外傷の場合:「負傷原因届」
■第三者による傷病の場合:「第三者行為による傷病届」

 

②限度額適用認定証の申請 ⇒「限度額適用認定申請書」に記入し、健康保険(協会けんぽ等)へ提出 
【添付書類】
特になし(原則)
※限度額適用認定証の有効期限は最長で1年です。
※ 70歳以上の方は高齢受給者証を提示することで、この認定証の代わりになります(原則)。
但し、現役並みの所得がある場合は、限度額適用認定証(自宅宛郵送)が交付されます。

協会けんぽの申請書はこちら→ 「高額療養費支給申請書」「限度額適用認定申請書」をご利用ください。

 

3.傷病手当金

【制度の内容】

病気やケガなどで長期に会社を休まなければならず、その期間の給与が支給されない場合、給与額のおよそ2/3の額が健康保険から支給されます。(最初の3日間は支給されず、受給できる期間は受給開始から最長1年6か月です)

要件

① 病気や怪我の為、連続して4日以上(会社の公休日も含む)勤務が出来ない状況であること
(ただし、仕事中や通勤途中のケガ等については、労災保険を使うので対象外)
② 医者からその期間の労務不能の証明をもらうこと
③ 休んだ期間の給与が支払われないこと

 

【手続きの流れ】

※休業が長期にわたる場合は、1か月位ごとに医師の証明をもらい申請することが一般的です。

 

【支給の対象となる期間について】

・労務不能とされた最初の3日間は対象となりません
(この3日間は有給休暇を使っても差支えありません)

・支給の対象となった日から最長で1年6ヶ月の期間で、労務不能であった期間が支給の対象となります。

・支給対象期間中で、仕事に復帰できた期間があり、その後再び同じ病気等で休み始めた場合には、その復職していた期間を含めて最長1年6ヶ月です。

【傷病手当金を受給している従業員が退職する場合】
既に傷病手当金を受給している従業員が退職することになった際、以下の全ての条件に該当する場合には、退職後も引き続き傷病手当金を受給することができます。

① 退職日までに、1年以上、健康保険に加入していること

② 資格喪失時(退職日の翌日)において、傷病手当金を受給しているか、又は受ける条件を満たしていること(最初の3日の待機期間を満たしていること)

③ 退職日に出勤していないこと

 

協会けんぽの申請書はこちら→ 「傷病手当金支給申請書」をご利用ください。

 

いずれの制度も給与が支払われなかったり、高額な治療費がかかった時にとても助かる制度です。もし、該当される方がいらしたらぜひご利用ください。
次回は4~6をご案内します。

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「産業医・産業保健機能」「長時間労働者に対する面接指導等」の強化(2019年4月1日施行)

働き方改革関連法により改正された事項

 

1.概要                                                                                                働き方改革関連法により2019年4月1日から実施される内容のうち、労働安全衛生法等の改正にかかる内容は                                                             以下の通りです。

 

(1)産業医・産業保健機能の強化

⇒ 事業主が産業医に対して従業員の健康状態に関する情報提供を行うようにしたり、産業医の独立性や中立性を                                                        高めることによって、より効果的な活動を行いやすい環境を整備する。

(2)長時間労働者に対する面接指導等

⇒ 長時間労働者などの健康リスクが高い状況の労働者に対し、医師による面接指導が確実に実施されるようにして、                                                 労働者の健康管理を強化する。

 

2.具体的内容

(1)産業医・産業保健機能の強化」にかかる主な改正点

事業主は産業医に対して以下の情報を提供しなければならない

・健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックに基づく面接指導後に講じた措置の内容                                                      ・時間外労働、休日労働の時間が1ヶ月に80時間を超えた労働者の氏名 等

事業主は以下の内容を労働者に周知させなければならない                                                                       (職場の見やすい場所に掲示する、又は労働者に文書で交付するなどの方法による)

・産業医の業務の具体的な内容                                                                                       ・産業医による健康相談の申し出の方法                                                                                                ・労働者の心身の状態に関する情報の取扱い方法

 

(2)長時間労働者に対する面接指導」にかかる主な改正点

時間外労働、休日労働の時間が1ヶ月に80時間を超えた労働者本人に対して、当該超えた時間を通知しなければ                                                               ならない

面接指導の対象となる労働者の要件が以下のように拡大した

【改正前】1ヶ月あたり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者                                                                      【改正後】1ヶ月あたり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者

 

※厚生労働省のリーフレットはこちらをご覧ください※

※「産業医」について常時労働者50人以上の場合はこちらをご覧ください(厚生労働省)※

※常時労働者が50人未満の場合はこちらをご覧ください(独立行政法人労働者健康安全機構)※

 

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厳格になる過半数代表者の選出

就業規則の作成・変更、時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)、1年単位の変形労働時間制の導入および年次有給休暇の計画的付与など、労働基準法に基づき労使協定を締結するケースが数多くあります。

労使協定を締結するにあたっては、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)と締結することを使用者に求めています。

その要件については、今回「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」と省令(2019.4.1施行 労働基準法施行規則第6条の2第1項)に明記されましたので、より適正な手続きで「過半数代表者」を選ぶことが必要となります。

 

既に指導されているポイントは下記のとおりです。

過半数代表者の要件と選出のための正しい手続き

①労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと                                                                              管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある人を指します。

 

②労働者の過半数を代表していること                                                                                                                           正社員だけでなく、パートやアルバイトなど事業場のすべての労働者の過半数を代表している必要があります。

 

③協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにした上で、投票、挙手、労働者の話し合い、持ち回り決議等 民主的な手続きにより選出すること                                              

・選出にあたっては、正社員だけでなくすべての労働者が手続きに参加できるようにする必要があります。                                                    ・使用者が指名した場合や社員親睦会の幹事などを自動的に選任した場合には、協定を締結するために選出された人ではないので、その協定は無効となります。

 

さらに、使用者については以下の配慮も必要とされています。

①使用者は、労働者が過半数代表者であることもしくは過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取り扱いをしないようにしなければならない(労働基準法施行規則第6条の2第3項)

②使用者は、過半数代表者が法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮(※)を行わなければならない(2019.4.1施行 労働基準法施行規則第6条の2第4項)

※具体的には、会社が過半数代表者に対して「時間外労働を行わせる部署や人数について、それが適正なものであるかどうかを判断するために」必要な資料を出して、十分に説明することや36協定の協議にかかる時間を労働時間として取り扱う、などが考えられます。

 

労働基準法上の労使協定は、過半数代表者の要件を満たしていないと協定の効力自体が無効となりますので、ご注意ください。

 

 

 

詳しくは、労働基準法施行規則(厚生労働省)をご覧ください。

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年金の繰下げ受給を生涯年金額から考えてみる

現役を引退した後の収入の保障(老後資金)として、現在は原則として65歳から国の老齢年金(国民年金、厚生年金)を受給することが出来ることになっておりますが、昨今では少子高齢化に伴う年金財政の悪化により、支給開始年齢の引上げなどが検討されております。

その検討の一つとして、年金の受給開始年齢の「繰下げ制度」の上限年齢を、現行の70歳から75歳に引上げるというものがあります。

現在は、年金を受給する年齢を原則の65歳からではなく、それ以降にずらすと1ヶ月繰り下げるごとに0.7%ずつ増額するという仕組みがあります(繰下げ受給)。

ただ、その繰り下げる年齢の限度は、現行の制度では70歳まで(65歳時点に比べ1.42倍の年金を受給できます)とされておりますが、それを75歳までに延ばす(65歳時点に比べ1.84倍の年金を受給できるようになる予定)ことが検討されております。

 

年金を繰下げた場合に、何歳まで年金をもらうと(何歳まで生きると)、生涯もらえる年金額が多くなるのかということが気になる方も多いと思いますが、65歳からもらい始めた場合よりも70歳からもらい始めた方が生涯の受給額が多くなるのは、81歳となっております。

これは現在の日本人男性の平均寿命(81.09歳)とほぼ重なります。

つまり、男性の場合には平均寿命よりも長く生きることが出来れば、70歳まで繰り下げてもらい始めた方が、生涯にもらえる年金額は増えるということになります。

 

ただ、もちろん人間の寿命は事前には分かりませんし、必ずしも生涯の年金額が多い方が幸せかどうかというのは一概には言えませんので、体が元気なうちに年金を受給し始めて旅行や趣味などに使うというのも一つの考え方ですし、体が不自由になった時に少しでも経済的な余裕を持っておきたいというのも、ひとつの判断だと思います。

これからの高齢化社会は、いつまで、どのような働き方をするのかということも含めて、個々の状況や考え方に応じて、上手に生き生きとした60代以降を過ごすことが求められるのではないでしょうか。

(補足)2016年度のデータでは、年金の繰り下げ受給者は約3%にしか至っていないのが現状です。

 

 

【参考】平成31 年度の年金額改定についてお知らせします(厚生労働省)

老齢年金 繰上げ・繰下げ試算表

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労働時間について

雇用契約というのは、決められた勤務時間(労働時間)労働したことの報酬として賃金が支払われるという

契約形態なので、この労働時間の考え方が重要になってきます。

通常は、会社で決まっている始業時刻から終業時刻まで(所定労働時間)を勤務するのが原則ですが、実際

にはそれだけでは判断に迷うようなケースもあります。

その場合にはどのように対応したらよいのかをご説明します。

 

1.労働時間の基本的な考え方

労働時間は、使用者(会社)から指揮命令を受けて働いている時間とされており、通常は就業規則で定められている会社の所定労働時間を勤務することが原則です。従って、本人の都合で(例えば、朝の通勤ラッシュ時間帯を避ける為 等)始業時刻よりもかなり早く出社した場合や、就業後に仕事と関係の無いことを行ったりしている時間は労働時間とはなりません。

 

2.始業時刻前、及び終業時刻後について

会社に出社していても仕事を始めるまでの身支度等の準備時間、また終業後の後片付けや帰り支度の時間は労働時間には該当しません。(ただし、制服や作業着の着用が義務付けられている場合は、着替え時間と勤務場所への移動時間も労働時間になります)

また、始業時刻前や終業時刻後に朝礼や終礼を行っている場合、又は職場の清掃を行っており、それが義務付けられている場合にはその時間も労働時間とみなされます。

一方で、使用者(会社)が指示していないにも関わらず、早出して仕事をしていたり、終業時刻後に残って仕事を続けている場合には、労働時間とは言えません。ただし、会社がそれを知っていながら黙認している場合や、所定労働時間では到底終わらないような仕事を課している場合には労働時間と見なされます。

 

3.現場や外出先への直行、外出先からの直帰

朝、職場へ出社することなく、仕事現場や取引先へ直行する場合には、現場や外出先で仕事を始めた時からが労働時間になります。(もし、直行先での仕事の開始時刻が会社の始業時刻よりも遅い場合には、会社の始業時刻から勤務したものとみなすのが一般的です)逆に、現場や外出先で仕事を終えて、職場へ戻らずに直帰する場合には、外出先で仕事を終えた時刻までが労働時間になります。

① 直行直帰する場合には、外出先で勤務した時間だけが労働時間になります。

② 外出先へ直行し、外出先で勤務した後、職場へ戻り、その後退社した場合は、外出先で勤務を始めた時刻から、職場で仕事を終えた時刻までが労働時間になります。

4.出張の場合

朝、家から出張先へ向かい、そこで仕事をして日帰りで帰る場合、又は宿泊で仕事をする場合は、原則として会社の所定勤務時間を労働したものとみなします。ただし、所定勤務時間外に業務を行うことが明確な場合や、所定時間内だけでは業務を完了するのが困難なことが明確な場合には、その時間は時間外労働と考えます。

なお、自宅や職場から出張先までへの移動時間、及び出張先から自宅又は職場への移動時間は、原則として労働時間とはみなしません。

 

5.手待ち時間(待機時間)

業務の性格上、例えば以下のようなケースでは、実際に業務に従事している訳ではないものの、持ち場を離れて自由に過ごすことが出来ない時間が発生することがあります。

■お昼の休憩時間に、交代で電話対応をしなければならない場合

■当直での緊急対応業務において、業務対応の必要の無い時間や仮眠時間

■飲食業やサービス業などにおいて、ほとんど来客のない時間帯の待ち時間

■荷物の積卸しの業務に従事する者が、荷物が到着するまで待っている時間

■運送業の運転者が、貨物の積込み、積卸しの為に待機している時間

           ⇓

実際に業務を行っていない待機時間であっても、必要があれば業務に応じなければならない状態にある場合(完全に自由な行動が保証されていない場合)には、原則として、労働時間とみなされます

 

6.その他

その他、労働時間として賃金が発生するかどうか、ケースごとにみていきます。

 

Case1   勤務時間外に行われる社外研修に参加した場合は労働時間か?

⇒ 研修に参加することが義務付けられている場合や、業務に必須な内容の研修の場合には、労働時間と考えられます。また、形式的には任意参加となっていても、不参加の場合に、評価や査定が低くなるような事実がある場合には、参加が義務付けられていると考えられる為、労働時間とみなされます。

 

Case2   会社の所定休日にある社員旅行に参加する場合は労働時間か? 

⇒ 一般的には社員旅行は親睦を深めるための福利厚生が目的と考えられる為、労働時間にはあたりません。

ただし、参加が義務付けられている場合や、不参加者は欠勤扱いになるような場合には労働時間と考えられますので、休日出勤手当が必要になります。

 

Case3   仕事が勤務時間中に終わらなかった為、自宅に持ち帰って仕事をした場合は労働時間か? 

⇒ 自宅で仕事を行う場合は、仕事を行う時間やどのような状況で行うかについては社員の自由である為、基本的には労働時間とはみなされないケースが多くなります。

  ただし、次のような場合には労働時間とみなされることがあります。

・就業時間内では到底終わらないような業務量を命じられている場合

会社からの業務指示が、暗に持ち帰り残業を命じられている場合

持ち帰り残業をしていることについて、会社が黙認している場合

 

※ 関連記事はこちらをご覧ください ※

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能力不足等を理由とする解雇を行う場合に留意すべきこと

従業員の中には、能力不足や真面目に仕事に取り組まない、職場での協調性に欠けるなど、どうしても会社が求める人材ではないと判断される者が出てくる場合があります。

そういった従業員に指導や教育をしても一向に改善される余地が無いと判断された場合には、会社を辞めて頂くことを検討するケースが出てくるかもしれません。

その場合には、会社と従業員で大きなトラブルにならないようにする為、法律を守るだけではなく、なるべく双方が納得するかたちで雇用関係が終了するように十分な配慮を行う必要があります。

 

1.問題を抱えた従業員がいる場合に会社が踏むべき手順

ひとえに「問題を抱えた従業員」といっても、その内容や程度は様々であり、他の従業員よりも少し仕事が遅いとか、やる気が見えないとか、なかなか営業成績が上がらない……と言った程度で、すぐに辞めてもらうことは出来ません。

辞めてもらう為には、法律に基づく手続きを踏むことと、誰が見ても退職させられてもやむを得ないと思われる理由があり、かつ退職以外の方法では解決が図れないという状況であることが求められます。

① 問題を抱えた従業員がいる

◆作業能力が他の従業員に比べて著しく劣る

◆同じようなミスを度々し、注意してもあまり改善されない

◆同じ職場の周りの従業員と上手くコミュニケーションがとれない(協調性が無い)

◆遅刻が多く、何度注意してもなおらない

◆仕事上のことで注意をしても、指示・命令に従わない  etc.

         ⇓

② 当該従業員と面談の機会を持ち、問題があることを伝え、改善を促す

(口頭だけでの指摘ではなく、書面にして伝え、その記録も残すことが大切)

◆問題があることをなるべく具体的に説明し、認識してもらう

また、場合によっては職場へ悪影響を与えていることも伝える

◆具体的な改善策を当該従業員と話し合い、期限を定めて改善の期限を設定する

         ⇓

③ 度々指導し、改善の機会を設けても、一向に改善しない場合

◆複数回、面談の機会を持ち、問題点が改善されているかを確認する

◆一向に改善されない場合、又は到底、会社が望むレベルに届かないことが明確な場合は、当該従業員に「次回、改善がされないようであれば、これ以上、雇用の維持は難しいと考える為、退職も視野に入れて考えてみて欲しい」旨を伝える

         ⇓

④ 別の職種への異動、または退職勧奨(最終的には解雇)を検討

◆他に適性の合う職種に異動させられないかどうかを検討する

◆理由を明確にして退職を促す(退職勧奨)

◆退職勧奨にも応じない場合には、理由を明確にして解雇をする

 

2.解雇をする際の手続き及びリスク

解雇をする場合の法的な手続きは、退職日の30日以上前に解雇予告を行うか、もしくは30日分の解雇予告手当を支払うことが必要です。

また、解雇をした場合、解雇が不当なものであるとして訴訟を起こされるリスクも考えられるので、安易に解雇をするのではなく、十分に改善の機会を与えること、そして当該従業員に今の状態では雇用を継続することは困難であることを十分に説明して納得してもらうことが大切です。

そして、出来るだけ、一方的な退職勧告である「解雇」を行うのではなく、会社側が退職を勧めて、それに当該従業員が応じるかたちの「退職勧奨に応じての退職」にすることが望まれます。

この場合は、退職願い(退職理由には「退職勧奨に応じた為」という文言を書いて頂くことになります)をもらっておくと、さらにトラブルが起きづらくなります。

具体的なケースは3.解雇に関する判例(解雇が有効になるかどうか)をご覧ください。

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