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労務管理コラム

2015年7月10日

厳格になる過半数代表者の選出

就業規則の作成・変更、時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)、1年単位の変形労働時間制の導入および年次有給休暇の計画的付与など、労働基準法に基づき労使協定を締結するケースが数多くあります。

労使協定を締結するにあたっては、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)と締結することを使用者に求めています。

その要件については、今回「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」と省令(2019.4.1施行 労働基準法施行規則第6条の2第1項)に明記されましたので、より適正な手続きで「過半数代表者」を選ぶことが必要となります。

 

既に指導されているポイントは下記のとおりです。

過半数代表者の要件と選出のための正しい手続き

①労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと                                                                              管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある人を指します。

 

②労働者の過半数を代表していること                                                                                                                           正社員だけでなく、パートやアルバイトなど事業場のすべての労働者の過半数を代表している必要があります。

 

③協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにした上で、投票、挙手、労働者の話し合い、持ち回り決議等 民主的な手続きにより選出すること                                              

・選出にあたっては、正社員だけでなくすべての労働者が手続きに参加できるようにする必要があります。                                                    ・使用者が指名した場合や社員親睦会の幹事などを自動的に選任した場合には、協定を締結するために選出された人ではないので、その協定は無効となります。

 

さらに、使用者については以下の配慮も必要とされています。

①使用者は、労働者が過半数代表者であることもしくは過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取り扱いをしないようにしなければならない(労働基準法施行規則第6条の2第3項)

②使用者は、過半数代表者が法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮(※)を行わなければならない(2019.4.1施行 労働基準法施行規則第6条の2第4項)

※具体的には、会社が過半数代表者に対して「時間外労働を行わせる部署や人数について、それが適正なものであるかどうかを判断するために」必要な資料を出して、十分に説明することや36協定の協議にかかる時間を労働時間として取り扱う、などが考えられます。

 

労働基準法上の労使協定は、過半数代表者の要件を満たしていないと協定の効力自体が無効となりますので、ご注意ください。

 

 

 

詳しくは、労働基準法施行規則(厚生労働省)をご覧ください。

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年金の繰下げ受給を生涯年金額から考えてみる

現役を引退した後の収入の保障(老後資金)として、現在は原則として65歳から国の老齢年金(国民年金、厚生年金)を受給することが出来ることになっておりますが、昨今では少子高齢化に伴う年金財政の悪化により、支給開始年齢の引上げなどが検討されております。

その検討の一つとして、年金の受給開始年齢の「繰下げ制度」の上限年齢を、現行の70歳から75歳に引上げるというものがあります。

現在は、年金を受給する年齢を原則の65歳からではなく、それ以降にずらすと1ヶ月繰り下げるごとに0.7%ずつ増額するという仕組みがあります(繰下げ受給)。

ただ、その繰り下げる年齢の限度は、現行の制度では70歳まで(65歳時点に比べ1.42倍の年金を受給できます)とされておりますが、それを75歳までに延ばす(65歳時点に比べ1.84倍の年金を受給できるようになる予定)ことが検討されております。

 

年金を繰下げた場合に、何歳まで年金をもらうと(何歳まで生きると)、生涯もらえる年金額が多くなるのかということが気になる方も多いと思いますが、65歳からもらい始めた場合よりも70歳からもらい始めた方が生涯の受給額が多くなるのは、81歳となっております。

これは現在の日本人男性の平均寿命(81.09歳)とほぼ重なります。

つまり、男性の場合には平均寿命よりも長く生きることが出来れば、70歳まで繰り下げてもらい始めた方が、生涯にもらえる年金額は増えるということになります。

 

ただ、もちろん人間の寿命は事前には分かりませんし、必ずしも生涯の年金額が多い方が幸せかどうかというのは一概には言えませんので、体が元気なうちに年金を受給し始めて旅行や趣味などに使うというのも一つの考え方ですし、体が不自由になった時に少しでも経済的な余裕を持っておきたいというのも、ひとつの判断だと思います。

これからの高齢化社会は、いつまで、どのような働き方をするのかということも含めて、個々の状況や考え方に応じて、上手に生き生きとした60代以降を過ごすことが求められるのではないでしょうか。

(補足)2016年度のデータでは、年金の繰り下げ受給者は約3%にしか至っていないのが現状です。

 

 

【参考】平成31 年度の年金額改定についてお知らせします(厚生労働省)

老齢年金 繰上げ・繰下げ試算表

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労働時間について

雇用契約というのは、決められた勤務時間(労働時間)労働したことの報酬として賃金が支払われるという

契約形態なので、この労働時間の考え方が重要になってきます。

通常は、会社で決まっている始業時刻から終業時刻まで(所定労働時間)を勤務するのが原則ですが、実際

にはそれだけでは判断に迷うようなケースもあります。

その場合にはどのように対応したらよいのかをご説明します。

 

1.労働時間の基本的な考え方

労働時間は、使用者(会社)から指揮命令を受けて働いている時間とされており、通常は就業規則で定められている会社の所定労働時間を勤務することが原則です。従って、本人の都合で(例えば、朝の通勤ラッシュ時間帯を避ける為 等)始業時刻よりもかなり早く出社した場合や、就業後に仕事と関係の無いことを行ったりしている時間は労働時間とはなりません。

 

2.始業時刻前、及び終業時刻後について

会社に出社していても仕事を始めるまでの身支度等の準備時間、また終業後の後片付けや帰り支度の時間は労働時間には該当しません。(ただし、制服や作業着の着用が義務付けられている場合は、着替え時間と勤務場所への移動時間も労働時間になります)

また、始業時刻前や終業時刻後に朝礼や終礼を行っている場合、又は職場の清掃を行っており、それが義務付けられている場合にはその時間も労働時間とみなされます。

一方で、使用者(会社)が指示していないにも関わらず、早出して仕事をしていたり、終業時刻後に残って仕事を続けている場合には、労働時間とは言えません。ただし、会社がそれを知っていながら黙認している場合や、所定労働時間では到底終わらないような仕事を課している場合には労働時間と見なされます。

 

3.現場や外出先への直行、外出先からの直帰

朝、職場へ出社することなく、仕事現場や取引先へ直行する場合には、現場や外出先で仕事を始めた時からが労働時間になります。(もし、直行先での仕事の開始時刻が会社の始業時刻よりも遅い場合には、会社の始業時刻から勤務したものとみなすのが一般的です)逆に、現場や外出先で仕事を終えて、職場へ戻らずに直帰する場合には、外出先で仕事を終えた時刻までが労働時間になります。

① 直行直帰する場合には、外出先で勤務した時間だけが労働時間になります。

② 外出先へ直行し、外出先で勤務した後、職場へ戻り、その後退社した場合は、外出先で勤務を始めた時刻から、職場で仕事を終えた時刻までが労働時間になります。

4.出張の場合

朝、家から出張先へ向かい、そこで仕事をして日帰りで帰る場合、又は宿泊で仕事をする場合は、原則として会社の所定勤務時間を労働したものとみなします。ただし、所定勤務時間外に業務を行うことが明確な場合や、所定時間内だけでは業務を完了するのが困難なことが明確な場合には、その時間は時間外労働と考えます。

なお、自宅や職場から出張先までへの移動時間、及び出張先から自宅又は職場への移動時間は、原則として労働時間とはみなしません。

 

5.手待ち時間(待機時間)

業務の性格上、例えば以下のようなケースでは、実際に業務に従事している訳ではないものの、持ち場を離れて自由に過ごすことが出来ない時間が発生することがあります。

■お昼の休憩時間に、交代で電話対応をしなければならない場合

■当直での緊急対応業務において、業務対応の必要の無い時間や仮眠時間

■飲食業やサービス業などにおいて、ほとんど来客のない時間帯の待ち時間

■荷物の積卸しの業務に従事する者が、荷物が到着するまで待っている時間

■運送業の運転者が、貨物の積込み、積卸しの為に待機している時間

           ⇓

実際に業務を行っていない待機時間であっても、必要があれば業務に応じなければならない状態にある場合(完全に自由な行動が保証されていない場合)には、原則として、労働時間とみなされます

 

6.その他

その他、労働時間として賃金が発生するかどうか、ケースごとにみていきます。

 

Case1   勤務時間外に行われる社外研修に参加した場合は労働時間か?

⇒ 研修に参加することが義務付けられている場合や、業務に必須な内容の研修の場合には、労働時間と考えられます。また、形式的には任意参加となっていても、不参加の場合に、評価や査定が低くなるような事実がある場合には、参加が義務付けられていると考えられる為、労働時間とみなされます。

 

Case2   会社の所定休日にある社員旅行に参加する場合は労働時間か? 

⇒ 一般的には社員旅行は親睦を深めるための福利厚生が目的と考えられる為、労働時間にはあたりません。

ただし、参加が義務付けられている場合や、不参加者は欠勤扱いになるような場合には労働時間と考えられますので、休日出勤手当が必要になります。

 

Case3   仕事が勤務時間中に終わらなかった為、自宅に持ち帰って仕事をした場合は労働時間か? 

⇒ 自宅で仕事を行う場合は、仕事を行う時間やどのような状況で行うかについては社員の自由である為、基本的には労働時間とはみなされないケースが多くなります。

  ただし、次のような場合には労働時間とみなされることがあります。

・就業時間内では到底終わらないような業務量を命じられている場合

会社からの業務指示が、暗に持ち帰り残業を命じられている場合

持ち帰り残業をしていることについて、会社が黙認している場合

 

※ 関連記事はこちらをご覧ください ※

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能力不足等を理由とする解雇を行う場合に留意すべきこと

従業員の中には、能力不足や真面目に仕事に取り組まない、職場での協調性に欠けるなど、どうしても会社が求める人材ではないと判断される者が出てくる場合があります。

そういった従業員に指導や教育をしても一向に改善される余地が無いと判断された場合には、会社を辞めて頂くことを検討するケースが出てくるかもしれません。

その場合には、会社と従業員で大きなトラブルにならないようにする為、法律を守るだけではなく、なるべく双方が納得するかたちで雇用関係が終了するように十分な配慮を行う必要があります。

 

1.問題を抱えた従業員がいる場合に会社が踏むべき手順

ひとえに「問題を抱えた従業員」といっても、その内容や程度は様々であり、他の従業員よりも少し仕事が遅いとか、やる気が見えないとか、なかなか営業成績が上がらない……と言った程度で、すぐに辞めてもらうことは出来ません。

辞めてもらう為には、法律に基づく手続きを踏むことと、誰が見ても退職させられてもやむを得ないと思われる理由があり、かつ退職以外の方法では解決が図れないという状況であることが求められます。

① 問題を抱えた従業員がいる

◆作業能力が他の従業員に比べて著しく劣る

◆同じようなミスを度々し、注意してもあまり改善されない

◆同じ職場の周りの従業員と上手くコミュニケーションがとれない(協調性が無い)

◆遅刻が多く、何度注意してもなおらない

◆仕事上のことで注意をしても、指示・命令に従わない  etc.

         ⇓

② 当該従業員と面談の機会を持ち、問題があることを伝え、改善を促す

(口頭だけでの指摘ではなく、書面にして伝え、その記録も残すことが大切)

◆問題があることをなるべく具体的に説明し、認識してもらう

また、場合によっては職場へ悪影響を与えていることも伝える

◆具体的な改善策を当該従業員と話し合い、期限を定めて改善の期限を設定する

         ⇓

③ 度々指導し、改善の機会を設けても、一向に改善しない場合

◆複数回、面談の機会を持ち、問題点が改善されているかを確認する

◆一向に改善されない場合、又は到底、会社が望むレベルに届かないことが明確な場合は、当該従業員に「次回、改善がされないようであれば、これ以上、雇用の維持は難しいと考える為、退職も視野に入れて考えてみて欲しい」旨を伝える

         ⇓

④ 別の職種への異動、または退職勧奨(最終的には解雇)を検討

◆他に適性の合う職種に異動させられないかどうかを検討する

◆理由を明確にして退職を促す(退職勧奨)

◆退職勧奨にも応じない場合には、理由を明確にして解雇をする

 

2.解雇をする際の手続き及びリスク

解雇をする場合の法的な手続きは、退職日の30日以上前に解雇予告を行うか、もしくは30日分の解雇予告手当を支払うことが必要です。

また、解雇をした場合、解雇が不当なものであるとして訴訟を起こされるリスクも考えられるので、安易に解雇をするのではなく、十分に改善の機会を与えること、そして当該従業員に今の状態では雇用を継続することは困難であることを十分に説明して納得してもらうことが大切です。

そして、出来るだけ、一方的な退職勧告である「解雇」を行うのではなく、会社側が退職を勧めて、それに当該従業員が応じるかたちの「退職勧奨に応じての退職」にすることが望まれます。

この場合は、退職願い(退職理由には「退職勧奨に応じた為」という文言を書いて頂くことになります)をもらっておくと、さらにトラブルが起きづらくなります。

具体的なケースは3.解雇に関する判例(解雇が有効になるかどうか)をご覧ください。

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外国人労働者の雇用(働くための在留資格)

現状だけでなく、将来に向けても労働力不足が深刻な社会問題になるのに伴い、外国人労働者を活用しようという                                                      動きが活発になり、在留資格を拡大する出入国管理法の改正が来年4月施行で開始されます。

外国人を広く受け入れることの是非や、違法な技能実習制度の件はここでは触れずに、現在、外国人が日本で働く                                                   ために必要な在留資格と、今後法改正により新たに創設される予定の在留資格をご案内致します。

 

外国人が日本で働く為には、必ずいずれかの在留資格を持っている必要があり、その資格で定められた在留期間のみ                                                   働くことが可能になります。

1.現在の在留資格

資格の種類 在留資格 職種 等 就労人数

(1) 就労目的での在留資格

(いわゆる「専門的・技術的分野」)

技術・人文知識・   国際業務

機械工学等の技術者、通訳、                       デザイナー、語学教師 等

約 23.8万人

経営・管理

企業の経営者、管理者 等

医療

医師、看護師 等

教育

中学校、高校等の語学教師 等

技能

外国料理の調理師、              スポーツ指導者 等

介護(H29.9月より)

介護福祉士

企業内転勤 等

外国の事業所からの転勤者

(2) 身分による在留資格

永住者

永住許可を受けた者

約 45.9万人

日本人の配偶者等

日本人の配偶者、実子 等

定住者 等

日系3世 等

(3) 技能実習制度による在留資格

技能実習

技能実習生

約 25.8万人

(4) 特定活動による在留資格

特定活動

ワーキングホリデー、                外国人建設就労者 等

約 2.6万人

(5) 資格外活動許可

(1週28時間以内で、本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内)

留学生のアルバイト 等

約 29.7万人

※「留学」や「研修」、「家族滞在」などの在留資格では働くことは出来ません。                                                                  ただし、資格外活動許可をとれば働くことは可能。

 

2.入管法改正により新たに設けられる在留資格

特定技能1号での受け入れ人数は5年間で最大34万5150人を想定しています。

在留資格 条件 在留期間 家族の帯同 想定されている業種

特定技能1号

一定の技能

通算5年

×

【14業種】

「介護」「ビルクリーニング」「素形材産業」

「産業機械製造」「電気・電子機器関連産業」

「建設」「造船・船用工業」「自動車整備」

「航空」「宿泊」「農業」「漁業」「外食」

「飲食料品製造業」

特定技能2号             (※)

熟練した技能

更新可能

【2業種(現時点)】

「建設」「造船・船用工業」

※  特定技能2号の運用は数年後になる見通し

 

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確定拠出年金制度

退職金の制度の一つに「確定拠出年金」という制度があります。この制度は出来てから既に17年ほど経っておりますが、昨今では個人型の確定拠出年金が適用される対象が拡がった(※)ことから、耳にすることも増えたのではないでしょうか。                                                                         その制度の概要やメリットなどについてみていきたいと思います。

 

当初は国民年金や厚生年金といった国が運営する公的年金に、企業が独自に上乗せをする企業年金という位置づけで始まりましたが、現在ではそれだけにとどまらず、個人が老後に備えて積み立てる個人年金の意味合いも増えてきました。                                                                                では、具体的にどのような制度なのでしょうか。

① 自分の口座で掛け金を管理及び運用(定期預金や株式、投資信託などを選択)をし、その運用実績に応じて年金の受給額が変わる

② 原則として60歳まで引き出したり、受給したり出来ない

③ 「企業型」と「個人型」があり、基本的には企業型は企業が掛け金を支払い、個人型は個人で掛け金を支払う                                                 (企業型でも個人が掛け金を上乗せして運用するマッチング拠出という制度もある)

④ 拠出額の上限額                                                                                                     企業型 ⇒ 企業年金(厚生年金基金や確定給付企業年金等)が無い会社に勤務している場合は月額55,000円                                                       個人型 ⇒ 国民年金のみ加入又は企業年金が無い会社に勤務している場合は 月額23,000円

⑤ 税法上のメリットが大きい                                                                                      (掛け金は社会保険料控除を受けられたり損金算入ができる、また受給時は一時金で受給する場合には退職所得控除が受けられる 等)

⑥ 選んだ金融機関に対して口座の管理・運用費用がかかる、企業として従業員への投資教育などをする必要がある

 

また、企業が掛け金を拠出する企業型の中でも「選択制」確定拠出金という制度もあります。                                                            これは、従業員が「給与の一部を減額して掛け金を捻出する」か、「掛け金を出さずに(選択制の確定拠出年金に加入せずに)、その分を給与・賞与などとしてもらう」かを選びます。                                  「給与の一部を減額して掛け金を出す」を選択した従業員は、その分の給与が少なくなります。                                                           掛け金として拠出した場合には、その額は所得税や社会保険料の対象から除かれますので、税金や社会保険料が安くなるといったメリットもある反面、将来、もらう公的年金が減るというリスクもある為、慎重に検討をして導入する必要があります。

(※)平成29年(2017)1月より範囲が拡大され、企業年金実施企業の従業員、公務員、第3号被保険者(専業主婦・主夫)なども加入できるようになりました。

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人事評価制度について

社内に人事評価制度は設けられているでしょうか?

「人事評価制度」というと、どうしても規模の大きな企業のものというイメージがあって自社には                                          関係が無いと考えられたり、評価制度は導入したいけど、どのようにしたらよいか分からないから、                                                  手をつけられていないという企業も多いのではないでしょうか。

 

確かに「人事評価制度の導入」というと、とても敷居が高く感じられますが、その企業の規模や業種、                                         経営者の考え方や従業員の特性等に合わせて「評価をする」という仕組みを作ることは、実はそれほど                                         難しいものではなく、かつ組織を維持・活性化していくには必要不可欠なものです。

むしろ、規模の小さな企業こそ評価をすることの重要性は高く、しかもその企業に合った評価制度を                                         取り入れることが容易なことが多いものです。

まず、評価制度を導入する(評価をする)ことの重要性を考えてみたいと思いますが、逆に評価を                                          全くしないと、どのようなことが起こるのでしょうか。

生懸命に仕事をしても、しなくても待遇(給与や賞与)は変わらないので、ほとんどの場合は                                                                 仕事の質の向上や業務の効率化などの努力をしなくなる

② 早く効率的に仕事をするよりも、のんびりと自分のペースで仕事をした方が残業が多くなり、                                                                                  場合によっては残業代の分だけ、遅く作業をした方が給与が増えることがある

③ 職場で、特に担当がはっきりと決まっていないような仕事(しかし意外に大切な仕事の場合が多い)は、                                                      放置されるか、それに気付いた従業員(通常は特定の人)がいつもやることになる

 

このような職場がどうなるかというと、仕事を効率的に進め、業務の改善をしていこうとする従業員                                                 (企業にとって必要な人材)のモチベーションは下がり、最終的にはそのような人材は職場を去りかね                                                ません。逆に評価をされないことで、居心地良く仕事をしたりコストのかかる従業員ばかりが増える                                            ことにもなります。

一人一人の従業員の働き方の優劣が売上や業績に強く表れる中小企業こそ、実は評価をしないことの                                                                リスクは高くなるのです。

 

ひとえに人事評価制度といっても、その企業規模や職種、経営者の考え方などにより、それぞれの企業に                                                         適した評価制度や運用の仕方は、ひとつひとつ異なるのが通常ですので、ここではその考え方や導入の流れを                                                         説明したいと思います。

評価制度導入の手順としては…

① 評価制度を導入する目的の検討 (例) ・能力や企業への貢献度に応じた給与体系にする                                                                            
    ・効率的な働き方の促進や自己研鑽を促す 等
② 何を評価するか(評価基準)の検討 (例) ・営業成績や売上げ実績 
    ・効率的に仕事を行っているか、改善意識があるか                                                                      
    ・管理職の管理能力 等
    ・組織(企業や部署)への貢献度
③ 評価手法の検討 (例) ・「目標管理制度」を採用(期初に個人ごとに目標を定め、                                期末にその目標を達成できたかどうか、管理者と面談を行う)
・「評価表等による評価」を採用(各評価項目について、                                 5段階等で採点を行う) 等
④ 評価をどのように活用するか    (例) ・給与の決定や賞与額に反映させる
・特に処遇に反映はさせないが、使用者や管理者は働き方を                                        見ているということを従業員に意識してもらう 等
⑤ 制度の説明会や評価者研修を行う  (例) ・制度の説明会を行い、主旨等を説明する                    
・社内で評価者研修を実施したり、外部の評価者研修に参加する 等

⑥ 評価を実施し、必要に応じて制度の見直しをする

 

以上が一般的な手順の概要になりますが、企業規模や評価制度に割ける時間など、実態はそれぞれ異なるかと                                                   思います。最初から立派な評価制度を導入しようとするのではなく、従業員のモチベーションを上げることに                                                         より組織を活性化させるという意識で、まずは出来る範囲で始めてみることをお勧めします。

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台風や大雪などの自然災害時の給与について

今年は想定外の被害を及ぼす台風や大雪など、自然災害に見舞われた一年でしたが、このような災害が生じた(又は生じる恐れがある)場合には、交通機関が乱れたり、通勤に危険が生じたりすることもある為、通常通りの就業が出来ないケースがあるかと思います。                                                            公共交通機関がストップして出社時刻に間に合わなかった場合や、災害の危険を避ける為、終業時刻前に帰宅させた場合の給与は、どのように取り扱えばよいのでしょうか。

 

法律ではどうなっているかと言うと、「使用者の責めに帰すべき事由」(会社都合)による休業の場合、会社は社員に対して休業期間中、その平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならない(労基法26条)とされています。

 

では、例えば台風が上陸し、始業時刻開始前に電車等の公共交通機関がストップして出勤が出来なくなった場合は、この「使用者の責めに帰すべき事由」に該当するかというと、これは不可抗力によるものと判断されますので、上記の休業手当を支払う必要はありません。

また例えば、台風の襲来により交通機関が止まる恐れがあったために、午後3時以降業務に支障のない限りにおいて、順次帰宅との命令を会社が全社員に出したような時はどうでしょうか?                      この場合は、会社の「命令」で労働者に帰宅をさせるので、労働者側に決定権はなく「会社都合」で帰宅すると考えられます。                                                            命令発生時点では、まだ会社や社員に何の被害もない状態ですので、自然災害による休業とは認められず、予防的な「帰宅命令」となるので、会社都合で労働時間を繰り上げて労働を免除したとの取扱いですので、会社には休業手当の支払いや、労働時間のみなしとして通常通り給与を支払う義務が生じると言えます。

一方、会社命令ではなく「社員に帰宅の判断を任せるような会社の命令に準じた意思表示」であれば、帰宅するかどうかは社員の判断によるため、休業手当の支払い義務や労働時間のみなしの扱いがないとも考えられます。                                                                                (つまり月給者であれば早退控除をすることもでき、時給のパートタイマーであれば、その時間分の給与は発生しないことになります)

ただ、一般的には社員に「仕事を早めに終えて早めに帰宅をしてもよい」と告げた場合は、通常の給与が払われると認識することが多いと思いますので、社員のモチベーションダウンにつながらない為にも、所定勤務時間まで勤務したものとして給与を支払うなどの対応が必要だと思われます。

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年末調整の前に・・・

既にお知らせしておりますが、平成30年1月から配偶者控除の要件が改正されております。

年末調整前に再確認をお勧めいたします。

 

【改正点①】配偶者控除に「従業員(給与所得者)本人の年収」が要件に追加されました。

配偶者の年収にかかわらず(年収103万円以下に収めていた方も)、従業員本人の年収が1,220万円を超える場合は配偶者控除を受けられなくなりました。

 

【改正点②】これまで配偶者控除を受けるために103万円以下に収めてきた配偶者の年収上限が事実上150万円にアップしました。

名称は「配偶者特別控除」となりますが、所得税の計算上は年収150万円まで働いても納税額は変わらないことになり、納税者にとっては有利な改正となりました。

 

詳細は、添付しましたチャートでご確認ください。

平成30年所得税改正チャート

 

資料を追加しました!(11/2UP)

平成30年年末調整 昨年からの主な変更点

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パワハラ防止策を義務付ける法律整備の検討始まる

厚生労働省がパワーハラスメントの防止策づくりを企業に義務付ける法律を整備する検討を始めました。

企業へ相談窓口の設置や発生後の再発防止策を求める方向です。罰則は設けませんが、法律に違反した企業は行政指導の対象となり、悪質な場合は社名公表も検討するようです。

 

厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会で、年末までに具体案をまとめ、新法制定も視野に2019年の国会へ完成法案提出の見込みです。

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