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9月1日から労災保険給付が変わりました

2020年9月16日
複数の会社に雇用されている労働者の方々への労災保険給付が変わりました~
(2020年9月1日以降に発生したけがや病気が対象となります)

 

「労災保険」は、労働者が業務や通勤が原因で、けがや病気等 になったときや死亡したときに、治療費や休業補償など、必要な 保険給付を行う制度です。

これまでは、複数の会社で働いている労働者の方について、働いているすべての会社の賃金額を基に保険給付が行われないこと、全ての会社の業務上の負荷(労働時間やストレス等)を合わせて評価して労災認定されないことが課題でした。

このため、多様な働き方を選択する方やパート労働者等で複数就業している方が増えているなど、副業・兼業を取り巻く状況の変化を踏まえ、複数事業労働者(※)の方が安心して働くことができるような環境を整備する観点から、労働者災害補償保険法(昭和22 年法律第50号)が改正されました。

(※)複数事業労働書とは
・事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者を指します
・一方または全ての事業の就業について特別加入(中小事業主/一人親方/自営業者/海外派遣者等)している方も対象となります

 

 

~改正内容~

1.保険給付額 算出方法の変更(賃金額の合算)
【改正後】
働いている全ての会社の賃金額を使用し、保険給付額を算出します。
(注意!) 1つの事業場でしか働いていない方については、変更はありません。
 
2.労災認定の判断方法(業務上の負荷の総合的判断)
【改正後】
1つの会社のみの業務上の負荷(労働時間やストレス等)をもって業務災害に当たらない場合に、働いている複数の会社でのマイナス要因を全て加味して総合的に判断します。
(注意!) 1つの事業場で労災認定された場合は、「複数業務要因災害」にはなりません。
ただし、この場合であっても、「改正内容1」の働いている全ての会社の賃金額を使用し、保険給付額を算出します。

 

 

~労災保険給付の請求実務の注意点~

  • 各種様式に「その他就業先の有無」欄が追加されました
  • 各会社の賃金証明用に追加「別紙」が必要となりました(対象給付:休業、障害、遺族、葬祭料等)
  • 「複数業務要因災害」に関する各種様式は「業務災害」用の請求書と兼用になりました
  • 所轄労働基準監督署が複数に該当する場合は、複数の会社分を「まとめて」「いずれかの労働基準監督署」に提出することになりました
  • 1社のみで申請する「業務災害」と複数の会社で申請する「複数業務要因災害」は同時に申請可能ですが、労災認定は「業務災害」が優先されます

 

実際の申請手続きの流れに関しては、企業間のつながりのない場合や労働者が副業等の事実を全ての事業主に伝えていないケースなども予想されますので、改正の通りにスムーズに進めることができるかは難しいところだと思います。
そのような労使両者の認識の共有がされていない場合に、不利益を被るのは複数事業労働者の方です。その方々が不利益を被らないようにするためには、社内規定に則り副業することが必要ですし、付随する今回の改正についても労働者自身が理解しておくことが求められているように思います。

 

■参考リンク

厚生労働省「労働者災害補償保険法の改正について」

 

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