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台風や大雪などの自然災害時の給与について

2018年10月15日

今年は想定外の被害を及ぼす台風や大雪など、自然災害に見舞われた一年でしたが、このような災害が生じた(又は生じる恐れがある)場合には、交通機関が乱れたり、通勤に危険が生じたりすることもある為、通常通りの就業が出来ないケースがあるかと思います。                                                            公共交通機関がストップして出社時刻に間に合わなかった場合や、災害の危険を避ける為、終業時刻前に帰宅させた場合の給与は、どのように取り扱えばよいのでしょうか。

 

法律ではどうなっているかと言うと、「使用者の責めに帰すべき事由」(会社都合)による休業の場合、会社は社員に対して休業期間中、その平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならない(労基法26条)とされています。

 

では、例えば台風が上陸し、始業時刻開始前に電車等の公共交通機関がストップして出勤が出来なくなった場合は、この「使用者の責めに帰すべき事由」に該当するかというと、これは不可抗力によるものと判断されますので、上記の休業手当を支払う必要はありません。

また例えば、台風の襲来により交通機関が止まる恐れがあったために、午後3時以降業務に支障のない限りにおいて、順次帰宅との命令を会社が全社員に出したような時はどうでしょうか?                      この場合は、会社の「命令」で労働者に帰宅をさせるので、労働者側に決定権はなく「会社都合」で帰宅すると考えられます。                                                            命令発生時点では、まだ会社や社員に何の被害もない状態ですので、自然災害による休業とは認められず、予防的な「帰宅命令」となるので、会社都合で労働時間を繰り上げて労働を免除したとの取扱いですので、会社には休業手当の支払いや、労働時間のみなしとして通常通り給与を支払う義務が生じると言えます。

一方、会社命令ではなく「社員に帰宅の判断を任せるような会社の命令に準じた意思表示」であれば、帰宅するかどうかは社員の判断によるため、休業手当の支払い義務や労働時間のみなしの扱いがないとも考えられます。                                                                                (つまり月給者であれば早退控除をすることもでき、時給のパートタイマーであれば、その時間分の給与は発生しないことになります)

ただ、一般的には社員に「仕事を早めに終えて早めに帰宅をしてもよい」と告げた場合は、通常の給与が払われると認識することが多いと思いますので、社員のモチベーションダウンにつながらない為にも、所定勤務時間まで勤務したものとして給与を支払うなどの対応が必要だと思われます。

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